【一般会計当初予算に対する賛成討論】
(小林正樹議員の発言)
議案第7号「令和2年度小金井市一般会計予算」に対し、公明党を代表して賛成討論を行います。昨年度より3億円少ない、歳入歳出それぞれ、435億2,700万円の予算には、市議会公明党が数年来要望を重ねてきた、市民の方々からいただいたお声が多数盛り込まれている事は、まず評価をさせていただく。幾つか代表的なものを挙げさせていただく。
○倒壊の恐れのある通学路等避難路に面するブロック塀等の撤去費用の一部助成。
○子ども達の熱中症対策と災害発生時の避難所となる小学校全校の体育館へのエアコン借上。及びトイレや避難設備の修繕。
○休日医療体制の強化の為、昨年スタートして頂いた、調剤薬局の休日開局委託料の倍増。
○聴覚に障がいのある方等の意思疎通等を支援する、手話通訳者の市役所への配置。
○出産後に支援が必要な母子に、心身のケアや育児サポート等を行い、安心して子育てできる支援体制を強化する産後ケア事業。
○既に策定されている空家等対策計画の基本方針に基づいた、普及啓発・相談イベントを実施する、空家等利活用事業。管理不全で倒壊しそうな空き家に対し、特定空き家に認定するための立ち入り調査費用。
また、当初予算に含まれる、義務教育就学児医療費助成については、所得制限の撤廃について多くの市民から要望いただいており、昨年の議員提案可決を経て、2019年10月から小学校3年生まで撤廃されましたが、2021年10月に小学校6年生まで、2023年10月には、我々が要望してきた中学3年生まで撤廃する方向性が示されたことについては、御礼を申し上げる。
しかしながら、市役所建設に注力するあまり、市民の将来負担に大いに影響する、公共施設マネジメントは実質的に十分な進捗がはかられていないなど、課題も多い。財政の弾力性を示す、経常収支比率が平成27年度90.8%だった値が、西岡市長就任後ついに令和2年度は102.3%と試算されている事への対策が見られない事も不安である。
また、市税に占める人件費の比率は上昇を続けているにも関わらず、議会との約束である行財政改革の効果が十分に示されないままに、さらに2.4ポイントも押し上げる期末勤勉手当の増額の提案と、相談なく特別調整額の見直しがされてきたことは、驚きを隠ない。この点については、関係する議案の修正案に賛成する事で、態度を示させていただいたが、このような西岡市長の進め方は、一生懸命に働く職員に対してもマイナスであることを認識すべきである。
さて、新庁舎・(仮称)新福祉会館建設実施設計委託料も盛り込まれ、スケジュールでは、4月には実施設計業務委託契約が締結される事が示されていますが、新型コロナウィルス感染拡大は終息の目途が立ったとは言えず、7月に予定をされる東京オリンピック・パラリンピックの開催も危ぶまれている(※その後「1年程度の延期」が決定)。世界的な経済危機も予想がされ、小金井市においても相応の心構えが必要であることは言うまでもない。「決定したこと!」と突き進むだけではなく、6月に示される総事業費と、9月に示される市の財政フレーム(本来は、実施設計前に示すべき)、その時点での日本経済の動向をしっかりと見定めた上で、市民サービスが暗礁に乗り上げる事が無いよう、最終的な設計やスケジュールについては、慎重な判断を都度お願いしたいと、強く申し上げておきたい。
予算編成方針にも書かれている様に、不断の行財政改革、デジタル化やIoT・AIなどの新技術を活用した「次世代型行政サービス」への挑戦と、財政の「見える化」により、将来に責任を持てる市政運営を切にお願いして、以上、討論といたします。
以上