【市議会公明党の反対討論】
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議案第13号「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」について反対し、同案に対する修正案に賛成する立場から、市議会公明党を代表して討論をおこないます。
この改正条例により、令和元年度から、期末勤勉手当について、年間支給月数を0.05月引き上げ、4.65月に改訂することと、特別調整額、いわゆる管理職手当について事後報告があり、令和2年1月から規則を改定するとともに、従前続けてきた減額措置の適用を解除して、年間約500万円の支出増を招くことは問題であります。
我が市では従来から東京都人事委員会の調査や勧告を尊重する立場です。期末勤勉手当を含む給与制度についても、東京都準拠化を基本方針としており、その方針に基づいて、今回の改正へとつながっているという趣旨の説明でした。我が会派も、そのことは否定するものではありませんが、給与制度について従来からの市の方針を元に説明されるなら、今回の期末手当の増額に臨んでも従来の進め方に準拠し、労働組合の協力を得つつ、行財政改革の大きな一歩を踏み出すチャンスとすべきだったと指摘させていただきます。
我が市における、行財政改革の進捗はどうなっているでしょうか。
行財政改革プラン2020では、経常収支比率を90%未満とすることを基本目標としていますが、平成30年度決算では96.4%と大きく乖離しています。職員給の総額は、この四年間で2億3千7百万円程度上昇し、令和元年度には40億円を突破する見込みとなっています。時間外勤務時間の年間総額は、9万時間を切ることを目標にあげつつも、令和元年度は3年ぶりに10万時間を突破する見込みです。
公立保育園の民営化は、計30人以上の職員削減を見込んではいるものの、平成30年9月には2年間の延伸を発表し、平成31年10月の行革市民会議からの提言のなかに、「多くの職員が配属されている保育園の民営化が課題である」と指摘されるに至りました。そのうえ、市長は新年度に向けた施政方針のなかでは、スケジュール等のさらなる見直しも表明しています。保護者の方々等のご理解を得つつ進めるのは当然のことで、我が会派としても同様の主張ですが、現状、行財政改革が進んでいるとはとても言えません。
本議案について、議会に対する説明は、給与は給与、行財政改革は行財政改革、というスタンスでおこなわれてきています。しかし、行財政改革を進めるためには、例えば労使協議の場をもち、合意へと進める中で、行財政改革を具体的に進める交渉も経た上で給与アップを認めていくというのが、やはり行政としてのあるべき姿勢ではないでしょうか。行財政改革を進めながら職員の給与改善を図る、これが「従来の小金井市の給与アップのやり方」ではなかったかと強調したいと思います。
その点で、西岡市長の1期目就任直後から疎かになり、どう見ても財政規律を緩めてきたように思えるのは非常に残念です。
管理職手当の件については、我が会派としては、減額措置というイレギュラーな対応を続けることなく、規定に沿って支払われるべきで、職員が責任感を持ち、より高い役職を目指すためのインセンティブにもなると主張してきたところです。さらに、それは全体の財政効果の中で配分がおこなわれるべきであり、行財政改革が大きく進まないまま、今回のような対応がされるのなら、我々の意図するところとは異なるものであり、こちらも非常に残念に思います。
そもそも、民間企業では、例えば最低賃金の引上げに際して、国の方針によって、また法律が変わったことによって、対応しなければならなくなるわけですが、実際にはそんな単純ではありません。働く人々の賃金を引き上げるには、企業それぞれが営業活動を強化するなど、大変な経営努力をして更なる利益を確保するわけです。そして、利益が確保できて初めて賃金を引き上げることができるわけです。私たちは、行政にかかわる立場として、このような民間の実態を重々理解したうえで市政運営をおこなっていくべきだということを、最後に強調したいと思います。
以上、議員各位の賢明なるご判断を期待し、討論を終わります。