討論2(2016.03.28)
平成28年第1回定例会(2016.03.28)
議案第18号、小金井市一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例及び職員の給与に関する条例の一部を改正する条例に対し、市議会公明党を代表して賛成の立場から討論を行います。
今回、市長がこの議案を提案するに至った背景には、国における人事院勧告や東京都人事委員会勧告があり、職員組合との交渉を経て到達した主な改定内容は、公民格差0.12%の是正のための給与月額を改定すること、勤勉手当の部分で期末手当の年間支給月数を0.1月分引き上げること、地域手当の支給割合について、11%であった平成27年度分を巻き戻して12%になるよう調整することと、さらに平成28年度は14%に、平成29年度は15%へと引き上げることになります。今定例会の資料の中で、この給与改定による影響額、つまり平成27年度分を基準とした上昇額が、平成27年度分から3年間で順次6,100万円、1億2,800万円、1億6,100万円になることが明らかにされました。毎年の税収が200億円程度の当市にとって、人件費におけるこの急激な上昇は、ただでさえ緊迫した経営状況にある中、市の財政に大きな影響を与えることは明らかです。
そのため、総務企画委員会や予算特別委員会を通じ、市の財政は本当に持ちこたえられるのかといった趣旨の問いかけをさせていただきました。ご答弁の中では、数々の自治体で行政経験を積み重ねてこられた副市長でさえ、今回の勧告について当初、当惑したと心情を吐露されたことからも、そのインパクトの大きさを推し量ることができます。また、総務部長は、過去、職員給の総額が19年連続マイナス更新となっており、40億円以上減らしてきた事実を繰り返し強調されました。しかし、直近の5年間を見ると、人件費が約15億円下がった一方で、扶助費が約14億5,000万円増加しているという事実もあり、血肉を削るような人件費削減の努力が満額市民サービスに直結しているとは言いがたい実態も直視しなければなりません。公務員の給与を適切に維持するために、人事委員会による勧告という制度があり、昨年行われた勧告は十分尊重されなければならないのは当然ですが、もう一方で、昨年12月24日付けの総務副大臣からの通知では、地域手当の支給割合については住民の理解と納得が得られるものになることを基本として適切に対応することとあります。
私たち議員は、今回の採決に際し、今後、長期にわたり市財政に影響を与える決断を迫られています。この議案第18号の採決に当たっては、介護や育児の担当部門で時差勤務が昨年10月から導入され、仕事の効率化を目指すフレックスタイム採用へ向けた流れが作られつつあることや、人事評価制度については既に実施されている管理職に加え、最短で平成28年度の一般職職員の人事考課を翌年度の給与の額へ反映できるよう組合へ提案していることをまず評価します。そして、最も重視したのは副市長の答弁で、組合との困難な交渉を経て、多摩26市で一番厳しい対応をとった、また、現行の制度上、これ以上の対応は厳しいとあったことです。法体系に基づいて構築され、国レベルで改定を積み重ねてきた公務員の給与制度は遵守せざるを得ません。
最後に、昨年提示された中期財政計画について、策定時点で盛り込まれなかった事業も含めて見直しを行っていくとの答弁を踏まえ、私たちは西岡市長に対して、今後5年間、10年間の財政計画を事業名と金額を明らかにして早急に市民へ提示するよう求め、討論といたします。